モフモフになれたら

本と映画と仕事と考えたこと

成長について

高校の時も、大学の時も、田舎で営業やっていた時も、関西で工場勤務していた時も、そして今でも週2〜3日ジョギングをしています。別に好きだからやっているわけでもないし、1〜2ヶ月やらない時もあります。習慣的に走っていると身体が軽くなるし、何より風邪をひかなくなります。逆に走らないとすぐ風邪をひくのです。

やったりやらなかったりしますが、延べ10年くらいジョギングをしているわけです。特に去年からは走らないと気持ち悪いと思うくらい習慣として生活に溶け込んでいます。でも、この前ふと気付きました。

まったく成長していないな、これ

と言いますのも、私はそもそも好きでやっているわけではないので、軽く汗を書く程度のジョギングしかしません。20分軽く走るだけ、というのをずっと繰り返しているのです。つまり、気づいたら先月も1年前も5年前も、時間、距離、何も変化していない。(今更気づくなよ)言い換えると、まったく成長していなかったのです。

一方、ドラムを始めたのは2月ですが、毎週メキメキ成長しているのを実感できます。先週叩けなかったリズムを今週叩ける様になったり、別のリズムパターンを覚えたり。でもジョギングに関しては、何の成長も見られないのです。これはなぜだろうと考えたのですが3つ原因があると思います。

1、限界まで挑戦していない。

ジョギングは疲れたらやめてしまいます。ほどほど疲れたらそれで終了。20分で疲れたら、20分でやめる。これを繰り返していたら一生20分以上長く走れるようになりません。20分走れたら、25分走ってみる、次は30分に挑戦してみる、ってことをやっていかなければ。自分が設定していた限界を越えようという挑戦をして初めて壁を越えられるのです。一方ドラムの練習はテンポ150の16分音符を叩ける様になったら、次はテンポ160に挑戦します。その次は170を目指してみます。今の自分ではクリアできない課題を設定して、そこに向けて努力するから、成長できるのです。

2、メンターがいない

どうやったら早く走れるようになるのか、長く走れるようになるにはどういうことに気をつけたら良いのか、教えてもらったこともなければ、自分で調べたこともありません。でもドラムは尊敬する先生に直接指導してもらえます。自分もこうなりたいという理想像を描けますし、モチベーションも上げてもらえます。

3、目標設定がない

たぶんこれが究極的な原因です。ジョギングには2時間走れる様になりたいとか、フルマラソンに挑戦したいとかいう目標がありません。目標があって、現状があって、そのギャップが課題になり、課題をクリアできるようになるプロセスが成長なのですから、目標がなければ成長があるはずありません。一方ドラムはこの曲を弾けるようになりたいという明確な目標があります。今は目標に対してこれが足りない、だから一つづつ課題を設定してできるようになっていく実感が持てるのです。

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おそらくこの話は、何にでも通じることだと思うのです。私個人的な話で広げるとギター。これは15歳の時からなんとなく弾いてますが、高校時代バンドを組んでいた時はそれなりに上手くなっている実感がありましたが、その後なんとなく家でポロポロ弾き語りしているだけで、まったく成長していません。先日人前で弾いた時もひどい有様でした。ギターを上手くなりたいというモチベーションもないし、上手くなってどうなりたいという目標がないので、仕方ない。元々ギターを始めたのは、好きな歌を好きな時に歌いたかったからです。そういう意味では、コードだけ弾けるようになった今、すでに理想形なのかもしれません。

さらに言うと、仕事も同じなのだと思います。ただ与えられた仕事を、今までの経験でできる範囲でもくもくやっているだけではまったく成長はありません。こうなりたいという目標があって、今の自分では解決できない課題に挑戦していくことでしか成長はありません。今の仕事が完璧に回せている時、なんだか仕事楽だなと感じてる時、人は成長していません。ここにも、「そもそも成長したいのか」という問題が立ちはだかります。仕事はお金のためだけにしているのだから、成長なんて求めてないんだという人もいるでしょう。そういう人に対して「成長しろ!」と言い切るのはちょっと強引とも思います。

でも、と思う。(最近このパターン多いな)
ドラムを始めて思いましたが、「できなかったことができるようになる」という体験は純粋に楽しい。これはまぎれもない事実です。叩けなかったリズムを叩けるようになった自分を最高にかっこよく思える。こういう体験って人生の中で多ければ多いほど良いもののような気がするのです。これは「どんな人間になりたいか」という目標設定の話とは違います。別に最終的になりたい人間を描いて、趣味・仕事の両面から理想に近づけ、とか重たい話をしているわけじゃなく、「できるようになる」っていう体験を楽しもう、という単純なお話です。仕事が面白くないと思っている人こそ、仕事に関して目標設定をして、それをクリアすることを楽しんだら良いのじゃないでしょうか。ドラクエで言えば熟練度を上げて技を覚えていく、というイメージです。いっぱい技を覚えたほうが、物理攻撃だけでクリアするよりゲームを楽しめると思いません??

ということで、29歳の1年はジョギングにしろ、ギターにしろ、仕事にしろ、何か目標を作って、課題を与えて、それをクリアする喜びを体感してみようと思います。まとめてみるとすごく当たり前の話なのですが、30にもなると基本的なことを忘れがちになってしまうので、ここに記しました。