モフモフになれたら

本と映画と仕事と考えたこと

2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ZERO to ONE/ピーター・ティール

シリコンバレー界隈では超がつくほどの有名人らしいピーター・ティール氏の起業指南書です。日米同時に発売されたばかりなので、本屋の店頭で山積みされており、意識高い系の人達必読の書みたいな扱いになっています。 はっきり言って面白くない本です。ピー…

竜が最後に帰る場所/恒川光太郎

外れのない恒川光太郎の短編集です。昨年出された文庫本なのですが、未読でしたので『スタープレイヤー』の余韻冷めやらぬ中、これも一気読みしました。 リアリズムから神話世界へ拡散していく5章。 日常の中にふと紛れ込む不思議な感覚を描いた序章『風を放…

HHhH プラハ、1942年/ローラン・ビネ

ゴンクール賞最優秀新人賞受賞、リーヴルドポッシュ読者大賞受賞の本作。フランスの作家ローラン・ビネによるナチスの最終解決主導者ラインハルト・ハイドリヒの暗殺計画を題材にした小説…?…いや書物…?です。 非常に変則的な文学です。380ページもの長編が…

ぜんぶフィデルのせい

またフランス映画。 時は1970年代、冷戦真っ直中で、世界中で共産主義運動が活発に行われていた時代。全然知らなかったのですが特に中南米で盛んだった時代らしい。9歳のアンナはカトリック系のミッションスクールに通い、庭にブランコのある豪奢な一戸建て…

TAXI

超有名フランス映画『TAXI』観ました。リュック・ベッソン脚本です。 スピード狂でプロのレーサー並みの運転技術を持つタクシードライバー、ダニエルとマザコン馬鹿の刑事エミリアンのコンビが銀行強盗団逮捕のために奔走するアクションコメディです。 カー…

ガープの世界

ロビン・ウィリアムズの追悼として世界中のレンタルビデオ屋が一斉に貸し出しているのではないでしょうか。30代の頃の代表作『ガープの世界』です。 かなり偏った性の拘りをもつ猛烈ママから生まれたガープ(ゲップの意味)の山あり谷ありの人生を描いた作品…

蜩の記

映画『蜩の記』観てきました。暇だったのです。 本格時代劇です。三谷幸喜の書く様なソフトな感じではなく、言葉遣いから仕草、歩き方まで徹底的に行き届いた時代劇でした。美しかったであろう、かつての日本の姿を見せられたような気持ちです。 ただ本格過…

殺人鬼 覚醒編 /綾辻行人

綾辻先生は新本格派ミステリーの巨匠ですが、もう一つのライフワークはこういったスプラッターホラー小説なのです。エログロ満載、電車に乗って読んでたら吐きそうになるレベルのハチャメチャ小説です。 謎のキャンプ、謎の集まり、謎の声、何の脈絡もなく始…

お金持ちになれる黄金の羽の拾い方2015

橘玲の小説のファンなのでAmazonからこの本を推薦され、買ってしまいました。 まさにしょうもない本です。 お金を増やす、または消費を減らすテクニックが不動産、保険、税務などに分けて丁寧に説明されています。ただ、右も左も分からない学生や新成人に向…

十二人の怒れる男

60年前の名作映画。 父親殺しの容疑がかかっている少年の裁判。陪審員として、それぞれの事情を抱える十二人の男達が招集された。 野球観戦を控えたもの。 人間を生まれた街で判断するもの。 思考を拒否するもの。 相手の意見に耳を傾けるもの。 自分の意見…

夏への扉/ロバート・A・ハインライン

SF小説の話題になれば、まず挙げられる『夏への扉』。あちこちで大絶賛されており、趣味読書と銘打っている以上読まない訳にはいきません。 『夏への扉』という言葉は、主人公ダンの愛猫ピートが作り出した言葉です。冬になるとピートはどこかに夏へ通じる扉…

スパニッシュアパートメント

10年以上前のフランス映画?スペイン映画?です。アメリのオドレイ・トトゥも出ています。 ヨーロッパ圏内の留学を促進するエラスムス計画。25歳大学院生の主人公グザヴィエはエラスムスを利用してスペインのバルセロナに一年留学に行きます。金のない多国…

バグダッドカフェ

ミニシアターブームを巻き起こしたという歴史的一作。主題歌の『Calling you』とバグダッドカフェのテーマは映画素人でも一度はでどこかで聴いた事あるのではないでしょうか。 ラスベガス近辺の砂漠に建つモーテル兼カフェに集まる人間達のヒューマンストー…

アバウト・タイム 愛おしい時間について

『ラブアクチュアリー』の監督の最新作『アバウト・タイム』。タイムトラベルの能力を持つ家系に生まれた主人公がタイムトラベルを使ったり使わなかったりした末に、当たり前の幸せを手にしていくヒューマンラブストーリーです。 もの凄く評判も良いし、周り…

スタープレイヤー/恒川光太郎

恒川光太郎の新ファンタジーシリーズ。10の願いを叶える事が出来る世界で生きる事になった人間の喜びと苦悩を描いた良作です。久々に一気読みでした。 いつもの恒川光太郎は日常世界の中に神話的世界の一部を開かせる物語が多かったように思います。本作は逆…

イワンのばか

ロシアの民話集です。 イソップ童話の様に教訓めいた小話が8遍収録されています。 どのお話も、素直に、慎ましく、穏やかに暮らしていきましょうというメッセージが込められています。金に目がくらんで滅びる男、土地を手にしようとして過労死してしまう男、…