モフモフになれたら

本と映画と仕事と考えたこと

我々はなぜ間違えたのか『現代経済学の直感的方法』 長沼伸一郎

ビジネス書大賞2020 知的アドベンチャー部門 特別賞を受賞した本です。 現代経済学の直観的方法 作者:長沼伸一郎 発売日: 2020/04/08 メディア: Kindle版 この本はめちゃめちゃおもしろいです。万人におすすめ出来ます。特に経済学を体系的に学んだことのな…

資本主義の物理的限界が来た!『人新生の「資本論」』 斎藤幸平

先日、初めて地上波で「天気の子」が放送されて話題になりましたが、その中でもこの言葉が出ていました。「アントロポセン」、日本語では人新生(じんしんせい)と言われている地質時代の分類名です。人間の社会的・生物的活動が地球の地質の層として残り続…

新自由主義の病につける薬! 『武器としての「資本論」』 白井聡

この2年くらい何故か本を読む気にならなかったのは、どの本にも現状の課題を解決する方法が書いていないどころか、本当の課題が何なのか、というところさえ的はずれな気がしたからです。 私はただのサラリーマンなのですが、私が日々感じている課題は、他の…

AIの衝撃 人工知能は人類の敵か

『ホモ・デウス』の衝撃を受けてから、最近人工知能に興味津々です。今の延長線上の世の中を想像するに、人工知能が全てを支配する世の中になっていくとしか思えなかったので。その理由は前回の投稿の通り。 mofumofuninaretara.hatenablog.com というわけで…

人は死んだ  『サピエンス全史』『ホモデウス』 ユヴァル・ノア・ハラリ

人は死んだ。この言葉が頭に浮かんだのは、話題の本「サピエンス全史」とその続編とされる「ホモデウス」を読んだからです。ここまで価値観を揺さぶられたのは大学時代にカールポパーの科学哲学に触れたとき以来です。どうやってこの感動というか、動揺を伝…

「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義

「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義作者: シェリー・ケーガン,柴田裕之出版社/メーカー: 文響社発売日: 2018/10/05メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (3件) を見る最近、新発売の棚に並んでる本書。死に関する本は結構読…

the four GAFA 四騎士が作り変えた世界

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界作者: スコット・ギャロウェイ出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2018/07/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見るBricsという言葉は久しく聞かなくなりましたが、最近はこの造語をよく聞きますね。…

リアルファンタジー 「タタール人の砂漠」

タタール人の砂漠 (岩波文庫)作者: ブッツァーティ,脇功出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/04/17メディア: 文庫この商品を含むブログ (24件) を見る 久しぶりの投稿です。本は引き続き読んでいるのですが、ブログを書くという習慣が抜け落ちてしまった…

あなたは既に騙されている『ハサミ男』

ハサミ男 (講談社文庫)作者: 殊能将之出版社/メーカー: 講談社発売日: 2002/08/09メディア: 文庫購入: 50人 クリック: 792回この商品を含むブログ (316件) を見る徹夜本、大どんでん返しがある本、極上ミステリーの話題になると必ず挙げられる一冊です。これ…

恐怖の本『AI vs.教科書が読めない子どもたち』

様々なメディアで紹介されている本書。 衝撃の内容です。AI vs. 教科書が読めない子どもたち作者: 新井紀子出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2018/02/02メディア: 単行本この商品を含むブログ (23件) を見る なにが衝撃か…。AIが劇的に進化して人間の…

屍人荘の殺人 今村昌弘

屍人荘の殺人作者: 今村昌弘出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2017/10/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (24件) を見る数々のミステリー関連の賞を総なめにしている本書。作者は新人らしいですが、とても新人とは思えない実力です。荒々しい舞台設…

滅びの園 恒川光太郎

滅びの園 (幽BOOKS)作者: 恒川光太郎出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2018/05/31メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 日常世界に不思議を織り交ぜるTHE恒川ワールド全開の物語です。パワハラ上司に愛のない妻、くだらない日常生活に嫌気がさした鈴…

ルビンの壺が割れた

ルビンの壺が割れた作者: 宿野かほる出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2017/08/22メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (9件) を見るアメトークで話題になった本です。文章はすべて、SNSのメールのやりとりなのでさらさら読めます。坂本裕二…

代償 伊岡瞬

代償 (角川文庫)作者: 伊岡瞬出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店発売日: 2016/05/25メディア: 文庫この商品を含むブログを見る幸せな家庭で恵まれた生活をおくる主人公、圭輔。その幸せに不穏な空気をもたらす親戚の達也。 この二人の幼少期~青年時代のお…

久々の面白本『人口減少社会の未来学 内田樹編』

内田樹先生が編者となって、各界の論客を集めた論集です。様々な角度から人口減少について考察されており、大変面白い本でした。各者の論旨のポイントをまとめておきます。内田樹 「人口減少社会の到来は目に見えているのに、喫緊の論件になっていないことが…

働き方 完全無双  ひろゆき

働き方 完全無双作者: ひろゆき出版社/メーカー: 大和書房発売日: 2018/04/14メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る伝えたい熱い思いがあって書かれた本ではなく、お願いされたから仕方なく書いた、という感じがひしひしと伝わってく…

アイ 西加奈子

i(アイ)作者: 西加奈子出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2016/11/30メディア: 単行本この商品を含むブログ (9件) を見るボランティアしたり、募金したりするのが生きがいの意識高い夫婦の養子として迎えられた女の子アイのお話。シリア難民、LGBTに悩む女性…

恐怖小説キリカ

恐怖小説 キリカ作者: 澤村伊智出版社/メーカー: 講談社発売日: 2017/01/27メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る澤村伊智の最新作。 貴志祐介の紹介文さえ、この本の構成要素のひとつである、という不思議な小説です。 サイコホラーは「理解不能」…

ローカリズム宣言「成長」から「定常」へ 内田樹

ローカリズム宣言―「成長」から「定常」へ作者: 内田樹出版社/メーカー: デコ発売日: 2017/12/07メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るあんなに勢いのあった内田先生も最近は本当に落ちぶれてしまいました。本を一冊読んでも「なるほ…

マジ怖小説『ぼぎわんが、来る』

ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)作者: 澤村伊智出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2018/02/24メディア: 文庫この商品を含むブログを見る角川ホラー大賞を取ったマジで怖い小説です。マジで怖いです。 駅前の本屋で買って、読み始めたら怖すぎて家に帰れな…

読後3日間寝込み小説『イノセント』

イノセント・デイズ (新潮文庫)作者: 早見和真出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2017/03/01メディア: 文庫この商品を含むブログ (6件) を見る 読後3日間寝込むという売り文句は言い過ぎではないほど、強烈な印象を残す小説です。語り口はなめらかで、物語の展…

読むと大人になれる本 『「若者」をやめて、「大人」を始める/熊代亨』

超一流はてなブロガー「シロクマさん」の著書です。 「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?作者: 熊代亨出版社/メーカー: イースト・プレス発売日: 2018/02/11メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る 東…

仮想通貨の真実を照らす良書『After Bitcoin』 中島真志

アフター・ビットコイン: 仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者作者: 中島真志出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2017/10/27メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (3件) を見る仮想通貨のことが一冊で丸わかりの良本でした。「お金2.0」の…

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 佐藤航陽

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)作者: 佐藤航陽出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2017/11/30メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る最近、本屋で一番売れ筋の本として紹介されている本。著者はメタップス代表の佐藤氏、なん…

漫画 君たちはどう生きるか

漫画 君たちはどう生きるか作者: 吉野源三郎,羽賀翔一出版社/メーカー: マガジンハウス発売日: 2017/08/24メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (8件) を見る63歳の父からもらいました。私31歳。どうやって生きれば良いか分からない31歳。…

ハンナ・アーレント「全体主義の起原」 100分 de 名著

ハンナ・アーレント『全体主義の起原』 2017年9月 (100分 de 名著)作者: 仲正昌樹出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2017/08/25メディア: ムックこの商品を含むブログ (6件) を見る学生時代に読んだハンナ・アーレントの「全体主義の起原」。心の奥底に突き刺…

R帝国 中村文則

R帝国作者: 中村文則出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2017/08/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る 全力小説家、中村文則の最新作です。 過去の「教団X」ほど話題になっていないのはなぜだろうと思っていましたが、ちょっと読んだ時…

わざわざゾンビを殺す人間なんていない。

わざわざゾンビを殺す人間なんていない。作者: 小林泰三,YKBX出版社/メーカー: 一迅社発売日: 2017/06/30メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (3件) を見る小林泰三先生の最新作。 生物がゾンビ化する世界を、小林泰三的にロジカルに、屁…

たぶん、出会わなければよかった嘘つきな君に

たぶん、出会わなければよかった嘘つきな君に (祥伝社文庫)作者: 佐藤青南出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2017/12/13メディア: 文庫この商品を含むブログを見る一気読み必死という謳い文句の恋愛ミステリー。ラノベっぽいやれやれ系主人公、何の魅力もない…

僕のワンダフルライフ

王様のブランチで紹介されていて、ちょっと前に一緒に観てきました。ある犬がご主人様との約束を果たすために転生していくファンタジー。 犬は好きですが、犬映画は絶対泣くのであまり好きではありません。 でも、かなり前評判の良い映画だったので、観ちゃ…