モフモフになれたら

本と映画と仕事と考えたこと

the four GAFA 四騎士が作り変えた世界

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

Bricsという言葉は久しく聞かなくなりましたが、最近はこの造語をよく聞きますね。GAFA

世界を席巻するIT企業、GoogleAmazonFacebookAppleの四社の頭文字をとった言葉。


この本を読んで一番恐ろしいと感じたのはAmazonでした。Amazonはまだまだ大きな野望と可能性を持っているし新しいサービスを展開していくことでしょう。ただの生活用品ECサイトじゃない。Googleは想像通り、知の巨人。これからもGoogleを中心にテクノロジーが進化していくことは間違いない。


対照的にAppleはテクノロジー企業でも、革新的企業でもなく、ただのオシャレブランド企業であることが丸裸にされます。ビジネス的には世界で一番うまくいきましたが、それはテクノロジーで世の中をワクワクさせたからではなく、セクシーさでワクワクさせたからだと。


Facebookは他の3つと比べると、あまり力を持っている気がしません。私のような30代のおっさんが一番SNSから遠い世界にいるせいかもしれません。数十億人の個人の嗜好を知っているからって何なんだ、という気がしてしまいます。インスタグラムも絶対に廃れます。mixiの盛衰を体感してきたので、そんな気がしてしまうのです。私の周りでFacebookに日常的に投稿している人なんて1%くらいです。Facebookに正直な自分を晒している人なんていません。いつでもかっこよくて友人に囲まれていて人生を満喫している一部だけです。インスタなんてやっている人、ひとりもいないし…。Google使わない日はない、iPhone持ってる、Macbookでこれ書いている、この本はAmazonで買った、でもFacebookだけは全然関係ない!!



話は変わるのですが、先日、仕事の関係で上海に行ったんですよ。本当にびっくりしました、中国。今時海外旅行言ってもiPhoneさえあれば街中のwifiつなげれば何とかなるじゃないですか。でも中国はそういうわけにいかない。iPhonewifi繋いでも何もできないんですよ。中国ではGoogle使えないから、SafariChromeに検索ワード入れても検索結果が返されないんですよ。だから何のサイトにもいけないの。行き先へのルートもわからないし、グルメ情報もわからない。サイトを見るにはURLを直打ちするしかないんですけど、調べ物したいときにURL直打ちなんて出来ないから大変ですよ。仕方ないから中国のポータルサイト百度から検索しようと思うじゃないですか。でもまず百度への行き方がわからないわけ。だから日本にいる人に百度のURL聞こうと思ってLINEしようとしたんですよ、すると当然LINEも使えないでやんの!!もうどうしたら良いかわかんない、って思ったときに気づきました。私の生活はGoogleiPhoneに支えられて成り立っていたのだなって。あと英語も全く通じないの!どれくらい通じないかっていうとレストランで「check」って言っても通じないレベル。中国語が出来ないと食事の会計も出来ない。でも広大な国土だし、人口も莫大だし、若者もたくさんいるし、起業もたくさんあるし可能性の大きさは日本の比ではない。中国から見たら日本なんて、端っこにあるちょっとだけ豊かな土地、くらいの認識なんでしょうね。東京の人から見る「愛知県飛鳥村」くらいの感じよ。「あぁ、あそこね、リッチらしいね、狭いけど。」くらいの興味しかない。日本にいたらGoogleAppleAmazonもないと生きていけないけど、中国の12億人の民はそれらなしで生きているし、ある意味では我々よりもデジタル化が進んでいたりする。どこもかしこもAlipayQRコード支払いだし、昼ごはんはオフィスでワイマイを頼んでるし、タクシーはディーディーがないと乗れないくらい。GAFAの次の覇権を取るのは中国の企業かもしれない。もはや世界の覇権取らなくても中国だけでも凄まじいんだけどね。

一方、日本ではQRコードは支払いは流行りそうにないし、フードデリバリーは絶対衛生上ダメとか言って普及しないし、タクシー業界が強すぎてライドシェアも進まない。日本は今までのアナログのやり方である程度うまくできてしまったからデジタル化する必要がなく、逆に取り残されてしまっているのかもしれない。また話変わりますけど、日本車ってダサいじゃないですか。あれは最小の工程で効率よく、安全性高く、プレスで生成できるようにプレスの方が進化してしまったせいらしいですよ。欧州はプレスがそこまで進化出来ず、人の手でやってたから、かっこいいボディデザインがキープ出来たとか。すなわち、その場その場で最良の選択だと思ってやったことも長い目でみれば、なんじゃこりゃって結果になることも結構あって、逆も然り。でもどんな結果になるかなんて事前には誰もわからないわけだから、結果がこうなったっていうのは仕方ないというか、誰を恨むでも羨むでもなく、いいでも悪いでもなく、行き着く先は「let it be」「あるがまま」としか言いようがないですよね。



たしかにGAFAは強大な影響力を持ちました。最近、はてなでも退職エントリーでGAFAに転職というのが流行ってる。今でこそ彼らが四強として持て囃されているけども、それがどれだけ続くかもわからないし、彼らが導く世界がより自分を幸せにしてくれるかは誰もわからないよね、と思う。日本の大企業でレガシーシステムと戦いながら生きるのも一つの生き様だし、人の手で手間暇かけて食べ物を作り続けてもいいし、狩猟採集を続けていたって良い。年齢とともに価値観が変化したって当然良い。旧態依然とした大企業からGAFAに行って、数年してから戻っても良い。


最近、あれでも良い、これでも良い、っていう相対主義的な価値観に陥っている気がする。だって、こだわると議論になって疲れるんだもん。年取ったよ、32歳。。