モフモフになれたら

本と映画と仕事と考えたこと

2014-01-01から1年間の記事一覧

あの根源的問題について②『どうせ死ぬのになぜ生きるのか/名越康文』

死を考えるシリーズ2回目。この本は紀伊国屋のメルマガで発売の連絡があり、まさにこれだ!と思い即買いしました。 P16 どうして僕らの悩みや不安を振り払っても、振り払ってもなくなることがないのか。それは結局、そうした具体的な一つひとつの悩みの根底…

あの根源的問題について

暇があれば本を読んだり、映画を見たり、プログラミングを勉強したり、ブログを書いたりしている私ですが、実は「考え事」が嫌いです。1日1秒も考え事をしたくないほど、嫌いです。何もしないでいる時間を作られると、「考え事」しかできなくなるので、常に…

リトルミスサンシャイン

アカデミー脚本賞・助演男優賞も受賞したかなり有名な映画。 濃すぎる家族が、娘のミスコンに向かう車中でそれぞれ自分の答えを見つけていくロードムービーです。 他の家族愛を描いた映画と差別化するために極端に濃いキャラクターをはめ込んだっていう感じ…

遠い空の向こうに

実話を元にしたヒューマンドラマです。 炭坑の街で生まれ、子供達は将来、炭坑で働くことが当たり前とされている世界。街の外に出るにはアメフトで名を挙げて、大学の奨学金をもらうしかない。アメフトで活躍出来ないヒョロメな少年達がロケットに魅せられ、…

街場の戦争論/内田樹

発売と同時に買い、すぐに読み終えていたのですが、なかなか手が付けられませんでした。というのも、『街場の戦争論』出版記念講演会が先週の日曜日に梅田のグランフロントで開催されまして、それに参加する前と後では印象が変わるかもしれないと考えていた…

インターステラー

クリストファーノーラン監督の超話題作『インターステラー』観てきました。Yahoo映画の評価も上々で、今年一番の映画だという声もちらほら。あの東浩紀も「僕の魂というか、生き方、実存みたいなものがクリストファーに近い」と大絶賛しております。 舞台は…

日商簿記3級を受けた件

第138回日商簿記検定試験3級受験してきました。会社の昇格用件の最後の一つです。これに受かれば2年後に年収+120万円! 一ヶ月前くらいから教科書を読み始め、先週先々週と勉強付けの毎日でした。遥か前に中小企業診断士の勉強をしていたので、会計の知識は…

天使のくれた時間

久々に涙が出るほどの素晴らしい映画を観ました。今年観た中で、一番の映画だったかもしれません。元々は2000年の映画です。 ウォール街の大手(中堅?)投資銀行の社長を勤めるジャックは欲しいものを全てに手に入れ、自分自身、何の不満も感じていない成功…

小野寺の弟・小野寺の姉

小さい時に両親を失くし、支え合いながら一緒に暮らす姉弟のお話です。 向井理扮する小野寺の弟は失恋から立ち直れない冴えない調香師33歳、片桐はいりは見た目通り個性的でモテない姉40歳。 客観的には負け組だけど、もの凄く仲の良い姉弟がお互いを思いや…

ZERO to ONE/ピーター・ティール

シリコンバレー界隈では超がつくほどの有名人らしいピーター・ティール氏の起業指南書です。日米同時に発売されたばかりなので、本屋の店頭で山積みされており、意識高い系の人達必読の書みたいな扱いになっています。 はっきり言って面白くない本です。ピー…

竜が最後に帰る場所/恒川光太郎

外れのない恒川光太郎の短編集です。昨年出された文庫本なのですが、未読でしたので『スタープレイヤー』の余韻冷めやらぬ中、これも一気読みしました。 リアリズムから神話世界へ拡散していく5章。 日常の中にふと紛れ込む不思議な感覚を描いた序章『風を放…

HHhH プラハ、1942年/ローラン・ビネ

ゴンクール賞最優秀新人賞受賞、リーヴルドポッシュ読者大賞受賞の本作。フランスの作家ローラン・ビネによるナチスの最終解決主導者ラインハルト・ハイドリヒの暗殺計画を題材にした小説…?…いや書物…?です。 非常に変則的な文学です。380ページもの長編が…

ぜんぶフィデルのせい

またフランス映画。 時は1970年代、冷戦真っ直中で、世界中で共産主義運動が活発に行われていた時代。全然知らなかったのですが特に中南米で盛んだった時代らしい。9歳のアンナはカトリック系のミッションスクールに通い、庭にブランコのある豪奢な一戸建て…

TAXI

超有名フランス映画『TAXI』観ました。リュック・ベッソン脚本です。 スピード狂でプロのレーサー並みの運転技術を持つタクシードライバー、ダニエルとマザコン馬鹿の刑事エミリアンのコンビが銀行強盗団逮捕のために奔走するアクションコメディです。 カー…

ガープの世界

ロビン・ウィリアムズの追悼として世界中のレンタルビデオ屋が一斉に貸し出しているのではないでしょうか。30代の頃の代表作『ガープの世界』です。 かなり偏った性の拘りをもつ猛烈ママから生まれたガープ(ゲップの意味)の山あり谷ありの人生を描いた作品…

蜩の記

映画『蜩の記』観てきました。暇だったのです。 本格時代劇です。三谷幸喜の書く様なソフトな感じではなく、言葉遣いから仕草、歩き方まで徹底的に行き届いた時代劇でした。美しかったであろう、かつての日本の姿を見せられたような気持ちです。 ただ本格過…

殺人鬼 覚醒編 /綾辻行人

綾辻先生は新本格派ミステリーの巨匠ですが、もう一つのライフワークはこういったスプラッターホラー小説なのです。エログロ満載、電車に乗って読んでたら吐きそうになるレベルのハチャメチャ小説です。 謎のキャンプ、謎の集まり、謎の声、何の脈絡もなく始…

お金持ちになれる黄金の羽の拾い方2015

橘玲の小説のファンなのでAmazonからこの本を推薦され、買ってしまいました。 まさにしょうもない本です。 お金を増やす、または消費を減らすテクニックが不動産、保険、税務などに分けて丁寧に説明されています。ただ、右も左も分からない学生や新成人に向…

十二人の怒れる男

60年前の名作映画。 父親殺しの容疑がかかっている少年の裁判。陪審員として、それぞれの事情を抱える十二人の男達が招集された。 野球観戦を控えたもの。 人間を生まれた街で判断するもの。 思考を拒否するもの。 相手の意見に耳を傾けるもの。 自分の意見…

夏への扉/ロバート・A・ハインライン

SF小説の話題になれば、まず挙げられる『夏への扉』。あちこちで大絶賛されており、趣味読書と銘打っている以上読まない訳にはいきません。 『夏への扉』という言葉は、主人公ダンの愛猫ピートが作り出した言葉です。冬になるとピートはどこかに夏へ通じる扉…

スパニッシュアパートメント

10年以上前のフランス映画?スペイン映画?です。アメリのオドレイ・トトゥも出ています。 ヨーロッパ圏内の留学を促進するエラスムス計画。25歳大学院生の主人公グザヴィエはエラスムスを利用してスペインのバルセロナに一年留学に行きます。金のない多国…

バグダッドカフェ

ミニシアターブームを巻き起こしたという歴史的一作。主題歌の『Calling you』とバグダッドカフェのテーマは映画素人でも一度はでどこかで聴いた事あるのではないでしょうか。 ラスベガス近辺の砂漠に建つモーテル兼カフェに集まる人間達のヒューマンストー…

アバウト・タイム 愛おしい時間について

『ラブアクチュアリー』の監督の最新作『アバウト・タイム』。タイムトラベルの能力を持つ家系に生まれた主人公がタイムトラベルを使ったり使わなかったりした末に、当たり前の幸せを手にしていくヒューマンラブストーリーです。 もの凄く評判も良いし、周り…

スタープレイヤー/恒川光太郎

恒川光太郎の新ファンタジーシリーズ。10の願いを叶える事が出来る世界で生きる事になった人間の喜びと苦悩を描いた良作です。久々に一気読みでした。 いつもの恒川光太郎は日常世界の中に神話的世界の一部を開かせる物語が多かったように思います。本作は逆…

イワンのばか

ロシアの民話集です。 イソップ童話の様に教訓めいた小話が8遍収録されています。 どのお話も、素直に、慎ましく、穏やかに暮らしていきましょうというメッセージが込められています。金に目がくらんで滅びる男、土地を手にしようとして過労死してしまう男、…

映画『るろうに剣心 伝説の最期編』

楽しみにしていた続編を見てきました。 薫殿のウザさも、佐藤健の格好良さも存分に出ていましたが、普通のアクション映画に落ち着いたという印象。 前作のあの高揚感はなく、ラストに向けておとなしく下山するのをただ見守るといったところでしょうか。 何が…

迷路館の殺人/綾辻行人

綾辻先生の館シリーズ3作目『迷路館の殺人』です。読者は当然『十角館の殺人』『水車館の殺人』の衝撃に引きずられて、身構えております。もう騙されまい、でも騙されたい、という複雑な読者の期待にどう応え、どう裏切るのでしょうか。 結論から申しますと…

野心のすすめ/林真理子

ちょっと前に話題になった新書です。 低位安定志向に偏った現代の若者の価値観にキックを喰らわせる指南書。 本屋の本を持ち込めるスタバで立ち読み(座り読み)。 3行でまとめると ・高い目標を掲げないことには、中くらいの達成もなし得ない。 ・一流の人…

水車館の殺人/綾辻行人

これぞ本格推理小説! 万人に自信を持ってお勧め出来る傑作中の傑作です。 『十角館の殺人』の”ミステリー界に革命を起こした一行”に続く館シリーズ第二作がこの『水車館の殺人』です。あの革命的小説に続く作品ですので、読者は相当の期待を持ってこのミス…

呪いの時代/内田樹

月1冊を超えるペースで本を出し続けている内田先生、さすがにTwitterでもお疲れの色を見せておりました。この本は2008年から震災後くらいまでのエッセイをまとめたもので、結論としてはいつもと同じことを言っているのですが、この本は非常に面白かったです…