「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義
- 作者: シェリー・ケーガン,柴田裕之
- 出版社/メーカー: 文響社
- 発売日: 2018/10/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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最近、新発売の棚に並んでる本書。死に関する本は結構読んできたし、自分なりに死との向き合い方に決着をつけた気になってますが、つい読んでしまいました。
結論から申しますと、ふつうに面白くない本です。これはすぐに書店から消えるでしょう。死とは何かについて考える本ではなく、生きることのどの辺に価値があるのかを考察した本と言えます。特に真新しい考え方はみつかりませんでした。
この本で考えさせられたのは時間について。自分は80年で死ぬとしても、この世界は続いて行きます。子供、孫、ひ孫、さらにもっと先の未来だってある。地球だって必ずなくなる。その後だってこの世界は続いていく。ただひたすら続いていくのだ。そこには人間は誰もいない。この世界を知覚できる生命体が全く存在しないとしても、世界はひたすら続いていく。
だから究極的にこの世界がどこに向かっているかは分からない。子孫を残すために命があるわけでもない。なぜか存在している自分とあなた。この奇跡には何度驚嘆してもし過ぎることはない。いつか終わるこの人生、永遠に続く世界、この対比に、あまりに大きな落差に眩暈がする。
誰も答えが分からない、どこにも答えは載っていない。でも生きている。日々の仕事に没頭するのはこの難問から目を背ける為なのかもしれない。