私の好きなコード進行シリーズ
先日書いた下の記事がそこそこ好評だったので、他のアーティストの曲で、このコード進行良いなぁと思ったものを紹介します。
Hello, Again 〜昔からある場所〜 - MY LITTLE LOVER
Hello, Again 〜昔からある場所〜 - MY LITTLE LOVER
・・・本人が歌ってる動画じゃない・・・・。まぁいいや。もう２０年前のヒット曲です。作詞:小林武史 作曲:藤井謙二 & 小林武史、編曲:小林武史 & MY LITTLE LOVER。イントロの神様と言われるだけあって、この出だしは２０年間色あせることがないですね。
Aメロ、BメロはE調なんですが、サビ前のB7からEに行かずに、G調のサブドミナントコードCに転調してます。あまりに滑らかなので普通には気づきませんね。
ちなみに同じように小林武史が編曲しているMr.Childrenの『終わりなき旅』もE調のB7からCに転調しますが、あれはC調のトニックコードのCなので意味合いが違います。あのコード進行の自然さも素晴らしいですが、最後のサビは結局Eに戻ってくるので、最初のサビの転調は、最後のサビを盛り上げるためだけの転調とも言えます。
突然 FIELD OF VIEW
FIELD OF VIEW 「突然」 ～FINAL LIVE～
作詞：坂井泉水、作曲：織田哲郎のポカリスウェット青春ど真ん中ソング。古き良きJポップの代表みたいな良い曲ですね。
AメロはF#m調、BメロはC調、サビはF#mのメジャー系A調に戻ってくるという構成。このコード変遷が「突然」でなくて何だろう。最初の曇天模様からトンネルに入って景色がガラッと変わって、トンネルを抜けたら青空が広がっている、というコードのイメージと歌詞の世界観が完全にマッチしている奇跡。「あの青い空のようにいつまでもそばにいる」というフレーズが神がかかってますね。
BLUE HEAVEN サザンオールスターズ
サザンの曲はYoutubeにない！でも本当に素晴らしい曲だから、ぜひ聴いてほしい。『さくら』のアルバムを買うか借りるかしてください。この曲、本当に綺麗で、歌詞も切なくて最高なんだけど、なんといってもサビのコード進行が奇跡。G調でD D/C|G D/A|G D/F#|Em|D D/C|G D/A|G D/F#|Em|Am7|D|G
だからね。サビがドミナントコードなんてことある？いやある、あるにはある。Mr.Childrenの『UFO』なんてそうなんだけど、あのサビはあえて不安定なUFOの雰囲気を出した、ある意味ヘンテコなメロディなわけですよ。でもBLUE HEAVENは完璧なの。唯一無二の美しいメロディなの。本当に惚れ惚れする。桑田佳祐の天才性に脱帽です。
Eternally 宇多田ヒカル
宇多田ヒカル (Utada Hikaru) - Eternally
天才といえば宇多田ヒカル。最新曲「花束を君に」も素晴らしい曲だけど、宇多田ヒカルの中でもっとも素晴らしいバラードは何かと聞かれたらやはり『Eternally』だと私は思う。
AメロもBメロも普通のC調なんですよ。いや、普通じゃない。異常に美しく切ないメロディ。もうこれだけで天才。
問題はサビ。一回聞いてみて。ジャーンで世界観が一変するでしょ。これA調になってるから。
実はC調からA調に転調するのは一番簡単なんですよ、C調からAm調を匂わせといてE7を鳴らした後、AmでなくてAに落ち着くというパターン。このコード進行はすごく滑らかで簡単だから、普通はこうやって転調します。上の突然もそういうカラクリです。
でも、天才、宇多田ヒカルはそんなことしない。余裕でC調のドミナントGからサビに突っ込む。それでAで押し込む。しかも全く違和感なく、聴き手の世界観を一新させるやり方で。もう転調とかじゃない。まずこの奇跡のメロディが生まれたのだ。このメロディを実現させるためには、なぜかコードが変わってしまったのだ。すごいなぁ天才は。
最後はやっぱりASKA
[MV] DO YA DO / CHAGE and ASKA
ASKAの天才コード進行シリーズ。AメロからD調のGとGmで始まるところもクセが強いですが、問題はサビ。
D調のドミナントEm7/Aでサビに繋げますが、なぜかサビはD♭！！！半音下がる。
な ぜ だ ！？？ なんの意味があるんだ！！！
普通にDで良いじゃないか！！なぜD♭なんだ！！
もはや凡人には解読不可能です。でも、サビは超ノリノリ。この曲をドライブ中、ノリノリで聴いていたら40km制限の道を60km出してしまって、捕まったことがあります。みなさんもお気をつけください。くれぐれも安全運転で。
