蛇にピアス
最近、吉高百合子が相当の美人だと気づいた。
同じ時期に佐々木希、北川景子も主役級の女優になって流行りだしたけど、吉高だけは流行り顔って感じがしない気がする。
眼もそんなに大きくないし、どちらかというと奥二重だし、派手さもそんなにないけど存在感がある感じ。
そんなこんなで吉高の裸が出るというので『蛇にピアス』を観てみた。
ただ、吉高のセックスシーンを愛でるためだけにある映画だと思って何にも期待せずに観たけど、これがなかなか面白かった。
若者の退廃的な生活、そこには前も後ろもない。ただ刹那だけがある。
どういう経緯でこうなったのか、これからどうなるのか、には何の説明もない。
だから、ロードムービーみたいに主人公の生い立ちを知って、その文脈の中で重要なイベントを切り取った物語ではない。困難に立ち向かって未来を切り開くっていうこともない。
そういった意味で、「何が言いたいのかわからない」っていう感想を持つ人もいるんだろうな。
でも、この映画はそういう楽しみ方をする映画ではないんだと思った。
吉高のセックスシーンを純粋に楽しむだけでも価値はある。ほとんどAV的な目線。
乳首とかを隠して、お尻だけ出して「脱ぎました」みたいなこと言うアイドル女優いるけど、そんなもんじゃない。
ガンガンやってる。丸出し。
すごい覚悟を感じた。
ちゃんとやらしい目線で観る映画だ、とこちらも覚悟せねばならない。
こんなに可愛い子がドMを演じて、好き放題やられるAVってそんなにないよ。
もちろん、エロ的な面白さだけじゃなかった。
アマの暴行が刑事事件になったと思ったルイはアマには何も言わず深夜のコンビニでヘアカラー用品を買いに走る。その行為ほどひたむきな愛はない。
さらに、次の男、シバの部屋でお香を見つけた時も、すぐに違う匂いのお香を買いに走り、何にも知らないそぶりで「あたしこの匂い嫌いなんだ」とうそぶく。
その二つの行為の中に、今を生きるルイの愛と葛藤が垣間見える。
刹那の愛に生きる若者の姿を純粋に演じきった吉高由里子に賞賛の拍手を送ろうと思った。
(男二人の演技も素晴らしかった。)
のほほんとした映画やメッセージ性の強い映画が好きな人にはオススメしないが、退廃的な雰囲気や暴力描写が好きな人にはオススメしたい作品だ。