モフモフになれたら

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スペード/玉置浩二

玉置さん9枚目のソロアルバム『スペード』。アコースティックギターエレキギターとドラムだけのシンプルで無骨な曲が多い正統派ロックアルバムです。

1、このリズムで めちゃくちゃシンプルながら、アコギの音色が渋くてカッコいいロック。まったく着飾ることなく生の楽器の音と生の歌声だけで完成させた曲です。

2、甘んじて受け入れよう 玉置さんの人生哲学が存分に楽しめる歌詞に注目。音の作りはすごくシンプルで、メロディの高低もあまりないながら、玉置さんの圧倒的な歌唱力で重厚なロックサウンドになってます。”良いことだって思ってやろう、良かったかは二の次で、どっちにしたって何か言われんだ、甘んじて受け入れよう” この歌詞大好きです。

3、△の月 ブルースです。安全地帯的なエロさも、『GRAND LOVE』の様な難解さも感じさせない。正統なブルースです。渋い。

4、太陽になる時が来たんだ 楽器はおまけ程度、ほとんど玉置さんの歌声だけが響き渡るポップです。”太陽さん”や”あの時代に”、”虹色だった”に通じるところがあります。

5、夢見る人 これもブルース?的なテンポの曲です。テンポは明るいですが、実はもの凄く重い詞です。玉置さんの心の重荷をあえて軽いメロディにのせた様な、そんな気がします。

6、アンクルオニオンのテーマ 休止

7、スペード 無骨なロック。色で言うと白黒。無駄を一切排除したメロディと伴奏。玉置さんが作った応援ソングはかなりありますが、この曲は特に理不尽で辛い時に聴くと…かなり効きます。最後の”どうだ”は鳥肌が立ちます。

8、ブナ インストです。意外とバラエティ番組とかに使われたりするくらい綺麗な曲です。

9、君だけを 玉置さんを代表するバラード。他の曲と同じ様に、シンプルな楽器のみで構成されたシンプルなバラードなのですが、歌声の広がりが素晴らしい。

10、美味しいジュース すごくヘンテコな曲と見せかけてメチャクチャ、よく出来ています。しかも気持ち悪いくらいロジカルです。サビの途中で転調するところは天才でしか発想できない飛躍でしょう。

11、気分がいいんだ こういうのを初期のロックンロールと言うんでしたっけ?軽快で巧妙なテンポ、小気味良い繰り返し。

12、メージャーマン 繰り返す単調なリズムの中でちらりと魅せる衝動。原始的な音楽を感じさせるロックです。

13、どうなってもいい この曲を最後に持ってきた時の心情はどうだったのでしょう。軽快なブルースと思いきや、後半の玉置さんがメッセージは考えさせるものがあります。

ポップスというより、ブルースやロックンロールが多いアルバムです。難解ではありませんが、飾り気のない曲が多いのでこれも玄人向けです。