ASKAの美しいコード進行ランキング
つくづくASKAは天才だと思います。
ASKAの天才性はもはや説明するまでもありません。あの声量と歌唱力も唯一無二ですが、叙情的な叙景詩の世界も素晴らしい。叙情的な叙景詩の意味がわからない人は「Man and Woman」の歌詞を読んでみてね。
でも、今回はASKAの作る曲のコード進行の美しさを讃えたいと思います。以下はわたしが度肝を抜かれたASKAの美しいコード進行ランキングです。
第5位 SAY YES
CHAGE and ASKA - SAY YES
老若男女誰もが知っている国民的ラブソングです。280万枚のヒットなんて今じゃ考えられないですね。あまりに聴きすぎて、もうスタンダードナンバーになっていますが、この曲のコード進行はもう訳が分からないくらい複雑なのです。こんな曲がスタンダードになるってどういうこと?Bメロの雰囲気が変わるところ、C調に直してもこの難解さ。
Gm7 C FM7 F7/E♭ | Dm7-5 Gm7 C B7 | Em | Am7 | D | G D/F#| G/F | C/E Cm/E♭ | G/D | Dm7 | G/D |Dm7 G
こんなにめちゃくちゃなのに確かにサビに向かってメロディは盛り上がっていることが分かる。C調でCmが出てくる曲をわたしは他に知らない。もはや奇跡だと思う。
第4位めぐり逢い
CHAGE and ASKA / めぐり逢い
ドラマ「妹よ」の主題歌。サビがかなりキャッチーなので聞いたことある人も多いはず。この歌のすごいところは大サビ。C調から短3度あがってE♭調になります。ここまではよくある。最後のサビに向かってキーを上げるのは王道です。ところがどっこい、E♭調の部分をChageに任せた後、最後のASKAのサビでC調に戻すのです。しかも、何の前触れもなしに、です。つなぎのコードとか全くありません。突然、短3度おります。にもかかわらず、曲調は底から感情が溢れ出てくるような重厚感が出て、逆に盛り上がるのです。なにこれ、こんなのあり?
第3位no doubt
[MV] no doubt / CHAGE and ASKA
渋いアコギのAadd9の響きと唸るような声で始まる力強いラブソング。サビまではA調で行きます。でもサビで突然E♭になる。もうね、意味がわからない。ここでE♭を使う意味。なぜAから始まったのか。なんで何の前触れもなくいきなり大転調して、全く違和感がないのか。まったく説明がつかない。謎。でもとにかくカッコイイ。ASKAにとっての「僕らは」は玉置浩二の「何もない」と同様、キラーフレーズ。
第2位 心に花の咲く方へ
心に花の咲く方へ
発売当初、ASKAをして「最高の傑作」と言わしめた珠玉の一曲。Bメロからサビへの転調が美しい。
D調でGm/Dに着地してからEで助走をつけてのA !
さらに A C#m D C#7 というサビの進行も美しい。「今も遠くも人は誰もまっすぐ伸びた円を歩く」という歌詞の世界観とC#7が作り出す違和感が絶妙にマッチして心を奮い立たせてくれる。
第1位 river
[MV] river / CHAGE and ASKA
大好き過ぎて、毎日でも弾きたくなるコード進行。AメロもBメロも素晴らしいんだけど、サビがすごい。
D6 E6 | Bm7 E | D6 E6 | F#m
D6の使い方!E6の使い方!メロディは繰り返しなんだけど、一回目はBmで受けて不安定なままもう一回。二回目にF#mで着地した時の安心感!これだけでイキそうになる。
「君が言う寂しさって生まれた時のものさ」という歌詞は、人生の真理だと思います。
今回はコード進行にだけ焦点を当てましたが、今後もASKAの天才性にはどんどん触れていきたいと思います。