モフモフになれたら

本と映画と仕事と考えたこと

介護の仕事のイメージが変わった

昨日、ジムでウェイトトレーニング&プールで100m*5本を泳いだ後、ジムについている大浴場に行きました。サウナと水風呂の2セットは私の人生の至福の時間です。これ以上、気持ちのいいことがあるだろうか、いやない。

サウナには小さなテレビが置いて合って、チャンネルは固定なのだけども、その日は「好きか嫌いか言う時間」の再放送が流れていました。その放送は生で途中まで見ていたのだけども、話が介護問題になってから興味を失ってお風呂に行ったのでした。


サウナでその放送を見ると、丁度、生で見なかった介護問題が取りざたされていました。


ブラックマヨネーズの吉田がある介護士さんにこのようなことを問う。
「家族が死を待っているような状況の人もいるわけで、どんなモチベーションで介護の仕事をしているんですか?」

介護士さんが応える
「吉田さんは介護をどんな仕事を考えていらっしゃいますか。」

吉田が応える
「お風呂入れたり、トイレの手伝いをしたり…」

吉田の考えは私が今まで思っていた介護のイメージとぴったり一致していました。祖母が入っていた老人ホームを訪ねる度、「今から元気になるわけでもない。夢を叶えたり、楽しい思い出が出来る訳でもない。ただ人間の匂いが充満する空間の中で、静かに死を待っている人たち。自分もこうなると思いたくない。将来のある子供たちを助ける仕事の方がずっと夢がある。こんな世界のことは、すぐに忘れてしまおう」、若い私はこう思っていました。


だから吉田の質問には大変興味がありました。世の中にはもっとオシャレでカッコ良くてやりがいがあって給料の良い仕事がある。なのに、なんでそんな生の人間の匂いが充満する世界のなかで、将来のない老人のトイレの世話をしないかんのや。


そこで介護士さんが応えた内容に私は衝撃を受けました。
「たぶん、それが一般的な介護のイメージだと思うんですが、お風呂とかトイレの世話というのは生活の一部でしかありません。介護を受ける皆様はそれぞれ、どうやって生きたい、こうやって死んでいきたいという想いを持っていらっしゃいます。もう一度お孫さんと遊園地に行きたいとか。そのためには車に2時間座っていないといけない。だから、座るリハビリをしましょう、となります。お風呂とかトイレというのはその中の一部に過ぎません。現にリハビリをして歩けるようになった方が沢山いらっしゃいます。」


サウナで汗だくになりながら、私は感銘を受けました。なるほど、そういうことか。我々はみんな、世の中を良くするために働いています。人を幸せにするために働いています。お笑い芸人はみんなを笑わせたくて、私はビジネスを通じてより住みやすい世の中にしたくて。当たり前だけど、介護士も同じだったのです。彼らは人によりそって、その人がよりよく生きれるように、よりよく死んでいけるように手助けをしています。介護を受ける人たちも、他の人と同じように生きていて、それぞれ楽しいことややりたいこと、やり残したこと、やりたくないことを抱えています。自分の人生をより良くしたい、悲しみや苦しみを軽減したいと思っている。介護とは、そんな普通の人たちの人生のお手伝いをする仕事であるという当たり前のことに気付きました。仕事の究極的な目的は、お笑い芸人をやっていようが、医者をやっていようが、幼稚園の先生をやっていようが、ビジネスをやっていようが本当は同じです。

子供を幸せにする仕事も、老人の人生を全うするサポートをする仕事も、生きている人間のための仕事である限り、尊卑はありません。

一生懸命生きている人を一生懸命幸せにしようとする仕事って凄いなと、汗だくで朦朧になりながら思いました。

その日も水風呂はいつもの2倍気持ちよかったです。