モフモフになれたら

本と映画と仕事と考えたこと

若者の退廃と虚無感を感じる『銃』 中村文則

銃 (河出文庫)

銃 (河出文庫)

暴力団が落とした銃を手にすることで心が蝕まれていく大学生の青年の心模様を丁寧に描いた作品です。実際に起きた事件よりも、彼の繊細な心の動きがメイン。銃を手にした時に感じる破壊衝動だったり、大学の友人とじゃれ合う時の虚無感だったり、女を抱いた後の退廃感だったり。これぞ純文学って感じ。これが好きなら本好きですね。