モフモフになれたら

本と映画と仕事と考えたこと

CHIKIRIN氏の工場に関する発言について

かの有名なおちゃらけ社会派ブロガーCHIKIRIN氏が今年の5月にTwitterにて発言した内容について今更、思ったことを書きます。 「日本から工場がなくなると雇用が確保できない」とか言う人って、自分の子供や孫を工場で働かせたい、って思ってるのかな。 この発言です。 円安になったら、海外旅行でお得な買い物できないよといった流れでいった一言です。 この発言は工場労働者に対する侮辱とも受け取れるため、結構な批判を受けたみたいです。 まさに僕が工場労働者なので、この発言にビックリして半年近く経った今でも反芻してしまいました。でも、なぜこの発言がひっかかるのかというと、的を射ているから、という結論にいたりました。 「工場で働くこと」を見下した発言に対する反論として、「日本は製造業でもっているんだぞ」とか「労働市場多様性に富んでいた方が良い」といった言葉が並んでいたんですが、どれも的外れのような気がしました。この発言のポイントは、「工場で働くなんてバカらしい」というニュアンスの方ではなく「あなたはどう思っているの?」と問いかけてる形式になっているところです。 だから、社会一般論をまとった上記のような反論は無効なのです。 日本経済における製造業の重要性や労働市場における役割なんてことは、ここで論じる必要はないのです。んなこたあ、ちきりん氏も重々承知しております。 あなたは、あなたの子供や孫を工場で働かせたいと思っているの?という問いかけは暗に「思ってないよね」という意味も含んでいるので、この発言に対する反論は、「はい、思っています」一択なのです。 じゃあ、自分はこの発言に反論できるのだろうか・・・いま工場で働いている・・・ 朝8時から夕方16時45分まで・・・月~金・・・祝日はだいたい土日とくっつけるので休みは長いし、お盆や年末年始、GWは9連休がデフォである。 僕は現場じゃないので、現場がどれだけ身体的負荷をおわされるのか知らないけど、何となく工場の雰囲気は肌でわかる。 子供や孫を工場で働かせたい?? ・・・いいえ、働かせたくないです・・・。というのが正直なところ・・・。 働いている人個人個人はつきあえばとてもいい人ばかりなんだけど、全体の印象として汚いし、臭いし、危ない。本当に危ない。金融機関で働いていて機械に挟まれて死ぬことはないけど、現場なら頻繁にあります。層としても、やっぱり低学歴で、趣味、パチンコ競馬風俗っていう人も一定数いる・・・もちろん、個人的に嫌うとか、そういう人は害悪だといっている訳ではありません。つきあえばみんないい人です。 でも、自分の子供をそういう層に入れたいか?と聞かれたら、いいえ、と答えてしまうんじゃないかなぁ。親だったら、綺麗で安全で文化的な仕事に就いてほしいと思うでしょう。 だから、ちきりん氏の発言は的を射すぎていて心が血だらけになったのです。 半年してもまだその傷がうずいたのです。 言葉は時に暴力ですね。 真実でも言っていいことと悪いことがあって、これは小さなプライドを持って工場で働いている人への暴力でした。 この暴力で目を覚ます人もいるかもしれないけど、深く傷ついた人もいる。 アルファブロガーの発言って言うのはかくも激烈なんですね・・・。