モフモフになれたら

本と映画と仕事と考えたこと

僕等がいた

ニセモノ 吉高由里子主演の大人気コミックス原作の映画を観てきた。 思えば、このブログの最初の記事は吉高由里子の『蛇にピアス』だった。 婚前特急、とこれで3作目。すっかり大ファンだ。 舞台は釧路の高校。 スポーツ万能、成績優秀、容姿端麗だけでどこか果敢なげな少年 矢野と たっぷりの愛情を持った心やさしい女の子 高橋七海の青春恋愛映画。 脇役は全てを客観的に分析し、人生の大事なところを分かっているのにアドバイスに徹してくれる善き友人、竹内。どこかに闇を隠した、眼鏡をかけた美少女 山本。 設定は、どこもかしこもテッパンだ。 ハチクロ君に届け、でもこんな奴らばっかだった気がするし、そんなに面白い映画でもなかった。 でもでも、この映画は素晴らしかった。 まず、BGM。ピアノ演奏が切ない青春の心象を細やかに彩る。 そして、映像。高校生の生活は、カッコ悪くて、弱くて、儚い、でも真剣で、熱くて、輝いている。そんなキラキラした日常をうまーく描いていて、すごく優しい気持ちになった。こんな青春時代じゃなかったけど、どんな過去でもキラキラしてみえるもので、それを懐かしんで温かい気持ちになった。 次に高橋の心理描写。吉高由里子の白くて細い容姿と上に突き抜けたような声がなくてはこんなにも切ない恋愛感情は伝わってこなかったろうなと思う。化粧は薄くて、ちょっとブスなんじゃないかっていうくらいが最高に可愛い。表情の一つ一つが言外の思いを代弁出来る演技力を持っている。矢野に対する愛情に感銘を受けた。 好きだバカ!も良いけど。 どうか彼を取り巻く人々が温かい人々でありますように。困難に打ち克つ心を与えてください。という祈りは、本物の愛の形をみた気がした・・・。 そこでミスチルの新曲『祈り ~涙の軌道』が始まりエンドロール・・・。 涙腺が崩壊した。 さようならさようならさようなら したのは、好きだった人にではなく、夢に泥を塗りつける自分へ、なのだ。 憧れを踏みつける自分のみにくさに、だ。 まだ結末は分からないけど、この二人にぴったりの愛の歌だと思った。 すごく優しい気持ちになれた映画だった。 こんなに尾を引いて、感動できる映画は久しぶり。 制作に携わった全ての人にありがとうを言いたい。 ありがとうありがとうありがとう