モフモフになれたら

本と映画と仕事と考えたこと

ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代  アダム・グラント

最近、仕事がめちゃくちゃ忙しいのは、昨年から担当している仕事が炎上しているのと、新規事業を始めたためです。昨年末ころに思いついたアイデアを少しづつ肉付けしていって、先月、本部長からゴーサインをもらいました。今までも、何度か新しいアイデアを上司に提案しては却下されて続けてきたのですが、今回は筋が良く、トントン拍子で社内決裁が取れました。社内でどんどんアイデアを褒められている間は、あれもやりたい、これもやりたいと頭がフル回転して、アドレナリン出まくり、夜もなかなか寝付けないほどでした。


しかし、いざ社内手続きが終わり、自分の事業を世の中に問うてみると、これはまた1000倍大変です。そりゃそうです。だって社内は基本的には私の味方なのだから。儲かりそうなアイデアであれば、みんな応援してくれる。でも、世の中には既存の仕組みを大切にし、新しいアイデアを嫌がる人がいるものです。今まで世の中になかったアイデアであればあるほど、その拒否反応も強い。



社内では大風呂敷を広げちまった。でも世の中は超向かい風。考えれば考えるほど、呼吸が浅くなり、心拍数が上がる毎日。頭で考えても仕方がないのだけども、「本当に大丈夫か」「俺どうなっちまうんだ」とぐるぐるネガティブイメージが回り続ける。



そんな気持ちで、すがるような気持ちで本屋を歩いていたところ、この本と目が合いました。


ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 (単行本)

ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 (単行本)


まさに、その時の私が欲しかった言葉がちりばめられた本でした。本屋ってこういう運命的な出会いがあるから素晴らしいですね。

本書はオリジナルな商品やサービスを世の中に出してきた人たちが、どのように困難に打ち克ち成功してきたか(また、どんなに素晴らしいアイデアが失敗してきたか)を紹介する本です。そして、彼らは特別なひとではなく「ふつうのひと」であったことも教えてくれます。「ふつうのひと」でも「独創的なこと」ができる、世の中を変えるようなオリジナルなものを作り出せるのだ、という自信を与えてくれる本です。

まさにオリジナルなことをしようとしている人への勇気の言葉を紹介します。

P40 現状を打開しようとするような人たちは、外見的には大胆で自信満々に見える。だが、その表面を剥がしてみると、彼らも恐れやためらいや自己不信と戦っているのだ。

P57 「創造性とは、自分自身に失敗を許すことだ。技術とは、どの創造物を維持するかを知っていることだ。」スコット・アダムス

P101 どんな場合も、問題はアイデアそのものではありません。実行にかかっているんです。

P107 三割の打率があれば天才だ。未来は予測できないものなのだから。早いうちに学べば学ぶほど、早く上達することができる。

P323 「勇気とは、恐れがないことではなく、恐れに打ち克つことなのだと私は学んだ・・・。勇敢なものとは恐れを知らないものではなく、その恐れを克服するものだ」ネルソン・マンデラ


新規事業というのは、毎日、ネガティブ意見との戦いです。毎日、敵に囲まれ、味方と思っていたひとに背中から刺されます。一歩進めば8方向から矢が飛んできます。それを一つ一ついなして、防いで、打ち返して、一歩一歩進むしかありません。


今大成功しているポケモンGOだって「歩きながらスマホを使って事故に巻き込まれたらどうするんだ」とか「不法侵入を促進することになるんじゃないか」とかいろんな方向からネガティブな意見に晒されてきたと思います。でも、世の中を変えた。もちろん、良い意味で。いま自動車が発明されたとしても「こんな危険なものを一般の人間が操作するなんて考えられない」「万が一ひとが死んだらどう責任をとるんだ」と大反対されたことでしょう。


どんなものでも否定的な意見はある。でも光るものがあると自分が信じているならやってみるしかない。毎日、自分にそう言い聞かせている日々です。


本書の最後の文章を世の中にオリジナルをもたらそうと頑張っているみなさんに捧げます。

P368 しかしオリジナルな人たちは、あえて苦しい戦いを選び、理想の世界を実現しようと取り組んでいる。人生を向上させ、より多くの自由を得るために行動することによって、一時的に快楽を捨て、自らの幸福を後回しにしているかもしれない。しかし長い目で見ると、彼らは世界をもっと素晴らしい場所にするチャンスを手にするだろう。中略、「オリジナルでいる」ことは、幸せに至る道としては、決して簡単なものではない。しかし、それを追い求めることの幸せは何にも代えがたいのである。

よし、明日からも頑張ろう!!失敗したって良い。とにかく全力でやってみよう。