モフモフになれたら

本と映画と仕事と考えたこと

価格の心理学 なぜカフェのコーヒーは「高い」と思わないのか?

何かと話題のビジネス書です。本屋の新刊コーナーで推されていますし、ネット界隈でも書評がどんどん出ております。

これは、著者が価格政策に関するコンサルティングに使う資料を本にしたもので、かつてはこのノウハウを数十万で売っていたそうです。

内容はチョコレートポットという架空の商品にどう値付けをして売上げを延ばしていくかを物語形式で説明していくものです。章立ても細かくて、区切りが良く、寝る前に読み進めるのに適しています。

ただ、コンサルタントが顧客に売っていた情報を本にしたものなので、エンターテインメント性はあまりありません。つまり、読み物として全く面白くありません。価格政策に関する喫緊の課題を抱えているビジネスマンが、教育的な目的として読むべき本です。暇だから何となく読んだら、すぐに使える、と言ったものではありません。

さらに、価格の心理学とはつまるところ消費者の気分の話なので、ここに書いている事は我々が消費行動を起こすときの気持ちそのものです。だから、こういうシチュエーションで、こういうものが、こういう値段だったら、どう思うか、と自問自答して出てくる答えがこの本で、纏められていると言えるかもしれません。目から鱗の価格心理学ではなく、まぁそりゃそうだよね、っていう話が続きました。

実際に価格政策を考える上でのツール等も添付されている実に実践的な本です。 価格政策に関するリアルな問題解決を求めている人にはおすすめですが、それ以外の人は読んでも面白くないかもしれません。